組織論を再入門した(動機付けやモチベーション理論編)
はじめに
連載っぽく見せて続かないシリーズ、今回は動機付けやモチベーション理論編です。 組織論に興味ある方は前回の記事もどうぞ。
前回に引き続き、組織論再入門をベースに色々見ていきます。
内発的動機付けと外発的動機付け
最早話すレベルでもないですが、やる気を引き出す動機付けには2パターンあります。
外発的動機付け
外発的動機付けは、昇給などの経済的見返りや昇進・昇格によって行われます。 逆に罰を与えるネガティブなものもあります。
外発的動機付けは限界効用の低減、つまり慣れや、モラルハザードが発生する場合があるので、後述する内発的動機付けとのバランスが必要となる。
内発的動機付け
イメージ通りだと思いますが、本人の内部要因から発生している動機付けです。
コミットメントを引き出すマネジメント
本書では、動機付けのバリエーションとして、短期的なものをモチベーション、タスクや仕事レベルで継続期間が長いものをコミットメント、さらに長いものをキャリアと表現している。
カッツェンバックという経営学者の考えから引用したものらしいですが、 コミットメントを引き出すための5つの方法がある。
- プロセスと尺度の明確化
- 認知および賞賛
- 個人の成長実感
- 起業家精神
- MVP
ここで言う起業家精神は仕事という感覚ではなく「自分のモノ」と捉えよ、MVPはミッション・バリュー・プライドのことでミッションやプライドで人は動くという話。
その他には、会社が潰れそうといった危機感・楽しさによるコミットメントの引き出しなど感情面まで考えるべきとのこと。
と言いつつ結局、組織や業種や個人によって様々
書籍ではトヨタやリクルートの成果主義について触れていたが、 結局組織文化、バリューチェーンのある製造業といった業種によって異なるので標準的なものは存在しない。
そして、個人によっても人それぞれやる気の源泉は異なる。
ムービング・モチベーターズやったときのことを思い出した
Management 3.0のプラクティスにムービング・モチベーターズ(Moving Motivators)というものがあります。
これの面白いところは、同じものを選んでも深堀りすると背景にあるものが全く異なったりすること。あとはもちろん人によって全然志向が違うんだなって実感できたり。
こうやってジャンル分けされると自分の本質的な動機について考えることができるし、ライフステージによっても全く違うものが選択される可能性もあると思います。
定期的にモチベーションを確認してその時々の状況を見てアプローチする、デリゲーションしつつ時々でビジョンを示すことがきっとこれからのマネージャに求められるんだろうなと。
あとカッツェンバックの言っていることは、日々のふりかえりを上手く活用することである程度満たせそうって思った。
自己信頼
内発的動機付けに影響するファクターとして、自己決定感・自己有能感・組織やチームでの立ち位置(関係性)が重要と別の書籍で読んだことがあるが、本書では自己信頼という考え方が紹介されていた。
自分の能力への信頼、良好な人間関係、未来への希望の3つ、つまり「現在の自己、将来の自己に対して、信頼と希望を持っていること」が動機付けの強さにつながるというもの。 最後の未来への希望という観点が面白い。
そして自己信頼は凹み、這い上がる、修羅場を経験することで強化されていく。
学問的なはなし
以下の理論について触れられていたが、ググれば出てくると思うので割愛。 マズローの自己実現欲求はガンジーの思考的な高次なものって考え方があるのは知らなかった。
- マズローの欲求段階説
- マクレガーのX理論、Y理論
- ハーズバーグの2要因理論
- ハックマン=オルダムの職務特性理論
- ポーター=ローラーの期待理論モデル
- リビングストンのピグマリオン効果
- アンダーマイニング効果
- 受容的勤勉性
- 他者志向的動機
- フロー体験
- マクレランドの達成動機づけ理論
キャリア的な文脈ですが、クランボルツの理論は特段面白かった。
リクルートの「自ら機会をつくり出し、その機会に自らを変えよ」という標語が紹介されてたんですが、今の自分には結構響く言葉でしたね。
さいごに
あんまり個人のパーソナリティや中長期的なモチベーションについては分からなかったので、おすすめの書籍とか知りたい。