システム開発(アジャイル・スクラム)とか色々

スクラムについてのアウトプットだったり、時々お気に入りのものなど。

トヨタ生産方式とアジャイル開発(スクラム)に通ずるもの

はじめに

こんにちは、@daimyo404です。 スクラムに触れているとトヨタ生産方式Toyota Production System)の文脈の話をよく聞くと思います。

かいつまんでは学んでいたものの、きちんと勉強せねばということで『トヨタ生産方式 -脱規模の経営をめざして-/大野耐一』を読みました。

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして | 大野 耐一 |本 | 通販 | Amazon

今回は本書のまとめとアジャイル開発に通ずるところの感想を書いていきたいと思います。

トヨタ生産方式とはなにか

トヨタ式のつくり方として、生産現場に流れをつくることがある。例えば、大量生産のアメリカにあった、旋盤工は旋盤しか扱わない単能工ではなく、多工程持ちの多能工によって生産性を向上させた。

このTPSの二本柱として、ジャスト・イン・タイムと自働化がある。

ジャスト・イン・タイム

歴史の教科書でもお馴染みなやつですね。 必要なものを必要なときに必要な量だけ手に入れることができれば、ムリ・ムラ・ムダをなくし、生産性を向上させることができる。

具体的に言うと、最終組立てラインに生産計画を示し、必要な部品を前工程に取りに行き、それが伝搬することで実現するというものです。

これを実現するための道具が「かんばん」と呼ばれるもので、「なにをどれだけ」引き取るのか、「なにをどのようにつくるのか」が示されている。e-かんばんシステムの例ですが、下記で実物が見れます。

https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/common/pdf/production_system.pdf

自働化(ニンベンの付いた自働化

なんでこんな分かりづらい表現使うの・・とか思ってたけど、先進国や他社に簡単に分からないようにという意図もあったみたいです。

豊田式自働織機は横糸がなくなったりすると機械が停止する仕組みになっている。つまり、機械が人間のように良し悪しを判断できるようになっている。これは人がいるラインでも同じことで、異常が発生したら作業者がラインを止めることを徹底しているらしい。

アジャイル開発(スクラム)に通ずるもの

書籍読んだあと、The New New Product Development Gameをざっと読んでみて、「Toyota」というワードが直接出てこないのは改めて知った部分だったのですが、スクラムでも所々エッセンスは感じるところ。 このあたりの影響関係のフロー図かけるくらい勉強したいなーと思いつつ(というかLPSとリーンが知識不足)感想書いてきます。

作りすぎのムダ

手すき(本書では手待ちと表現)の場合に次の作業をやってしまうと手すきなのが隠れてしまう。それにより在庫が溜まったり在庫を移動させる作業が仕事とみなされ、ムダと作業の見分けがつかなくなってしまうとのこと。

どこかでボトルネックになって着手できないので、本当にやるべきタスクの優先度を下げ、別のバックログを優先する。しょうがないで終わらせず、本来のボトルネックによってムダが生まれているということがきちんと問題意識として持つべきという自戒。あとは、これによって別のバックログのタスクで追われ、本当にやるべきことへのフォーカスがぶれてしまうということも別問題としてあるかも。

離れ小島をつくるな

作業者が離れた場所でバラバラに作業していると言われることがあるそう。今はリモートになったからあまり関係ないかもしれないですが、物理的距離と心理的距離って思った以上に相関関係あると思っています。席がないみたいな安易な理由で物理的距離を離してはいけない。

対人距離についてはいくつか考え方がありますのでご参考。

【第5回】場面・状況に応じた対人距離とは:株式会社日立システムズ

現場作業を「認識」する

現場作業は2つに大別できる。1つは何度も繰り返すがなんら必要のない「ムダ」のこと。もう一つは作業であるが、付加価値のないものと正味価値のあるものに分けられる。

俯瞰して見るようにしないと意外とムダや付加価値のない作業を繰り返しているなって気づけなかったり、逆に違う人の視点から見ると正味価値の割合が低かったり。細かい効率化って結構気にしないと見えなかったりするので、常日頃改善意識は高いレベルで保ち続けないといけないですし、たまには他の人の意見も取り入れることが重要かと思ってます。

目で見る管理

代表例はアンドンですが、トヨタ生産方式生産現場ではこれが徹底されている。

物理ボードが使えないとき、如何にデジタルで見える化を進められるかってのは結構課題だと思う。良いときはいいですが、臭いものは蓋をしたくなるし。

さいごに

古典をもっと読もう。