システム開発(アジャイル・スクラム)とか色々

スクラムについてのアウトプットだったり、時々お気に入りのものなど。

アジャイル開発でのメトリクスについて考える

はじめに

大規模のSIだと必ず出てくるメトリック、 現場とはまったく無縁の企画部門から求められる評価指標、組織で働いていると一度は悩むことがあるのではないでしょうか。

最初に断っておきますが、見る人のコンテキストによっては当たり前じゃんくらいの可能性が高いので、期待値低で見ていただけたらと思います。

今回の内容はアジャイルチームを支える会さんの勉強会に出たときの気付きをベースに作成したものです。これはまた別途まとめられたらいいなあ。

なんでメトリックが必要なんだっけ?

なにかを定期的にモニタリングする、これが脳死で目的化されてしまうケースがあるかもしれませんが、よく考えてみるとチームなりプロダクトをより良くするため、現場の自分達が自ずと欲するもの。

最近バグが多いとかなればカバレッジ見たり、なんかオーバーヘッドが多いなと感じたらリリースサイクルを見たりとか、チームやプロダクトを良くしていくための評価指標は定期的にウォッチすべきだし、本来メトリックって目に見えないものを自分達のために見える化させる、そういうもの。

近視眼的なTryがふりかえりで出がちだったりするけど、突き詰めて考えるとこういうことを改善したい!、だったらこういった指標でモニタリングしたいよねっていうチーム作りを目指したい。

上司が求める指標ってなに?

上司が評価指標を求める、結局それは安心が欲しいだけじゃないですか? そんな人はこう一蹴するか、こちらからプル型のまめな報告。スクラムだったらレビューの場に呼ぶのが早い。

面倒くさい人はこれで排除できるとして、いやいや投資の判断基準とかあるわって言われたらそれはプロダクトのビジネス価値やKPIを置けばいいし、このあたりのメトリクスこうあるべきのコンテキストが色々な人と共有できていれば上手くいく気がしてきた。

さいごに

ベロシティをKPIにすべきと報告書に記載するようなコンサルはこの世から滅びればいいなあ。(フィクションです)

組織論を再入門した(動機付けやモチベーション理論編)

はじめに

連載っぽく見せて続かないシリーズ、今回は動機付けやモチベーション理論編です。 組織論に興味ある方は前回の記事もどうぞ。

daimyo-blog.hatenablog.com

前回に引き続き、組織論再入門をベースに色々見ていきます。

内発的動機付けと外発的動機付け

最早話すレベルでもないですが、やる気を引き出す動機付けには2パターンあります。

外発的動機付け

外発的動機付けは、昇給などの経済的見返りや昇進・昇格によって行われます。 逆に罰を与えるネガティブなものもあります。

外発的動機付けは限界効用の低減、つまり慣れや、モラルハザードが発生する場合があるので、後述する内発的動機付けとのバランスが必要となる。

内発的動機付け

イメージ通りだと思いますが、本人の内部要因から発生している動機付けです。

コミットメントを引き出すマネジメント

本書では、動機付けのバリエーションとして、短期的なものをモチベーション、タスクや仕事レベルで継続期間が長いものをコミットメント、さらに長いものをキャリアと表現している。

カッツェンバックという経営学者の考えから引用したものらしいですが、 コミットメントを引き出すための5つの方法がある。

  • プロセスと尺度の明確化
  • 認知および賞賛
  • 個人の成長実感
  • 起業家精神
  • MVP

ここで言う起業家精神は仕事という感覚ではなく「自分のモノ」と捉えよ、MVPはミッション・バリュー・プライドのことでミッションやプライドで人は動くという話。

その他には、会社が潰れそうといった危機感・楽しさによるコミットメントの引き出しなど感情面まで考えるべきとのこと。

と言いつつ結局、組織や業種や個人によって様々

書籍ではトヨタリクルート成果主義について触れていたが、 結局組織文化、バリューチェーンのある製造業といった業種によって異なるので標準的なものは存在しない。

そして、個人によっても人それぞれやる気の源泉は異なる。

ムービング・モチベーターズやったときのことを思い出した

Management 3.0のプラクティスにムービング・モチベーターズ(Moving Motivators)というものがあります。

nuworks.jp

これの面白いところは、同じものを選んでも深堀りすると背景にあるものが全く異なったりすること。あとはもちろん人によって全然志向が違うんだなって実感できたり。

こうやってジャンル分けされると自分の本質的な動機について考えることができるし、ライフステージによっても全く違うものが選択される可能性もあると思います。

定期的にモチベーションを確認してその時々の状況を見てアプローチする、デリゲーションしつつ時々でビジョンを示すことがきっとこれからのマネージャに求められるんだろうなと。

あとカッツェンバックの言っていることは、日々のふりかえりを上手く活用することである程度満たせそうって思った。

自己信頼

内発的動機付けに影響するファクターとして、自己決定感・自己有能感・組織やチームでの立ち位置(関係性)が重要と別の書籍で読んだことがあるが、本書では自己信頼という考え方が紹介されていた。

自分の能力への信頼、良好な人間関係、未来への希望の3つ、つまり「現在の自己、将来の自己に対して、信頼と希望を持っていること」が動機付けの強さにつながるというもの。 最後の未来への希望という観点が面白い。

そして自己信頼は凹み、這い上がる、修羅場を経験することで強化されていく。

学問的なはなし

以下の理論について触れられていたが、ググれば出てくると思うので割愛。 マズロー自己実現欲求はガンジーの思考的な高次なものって考え方があるのは知らなかった。

  • マズロー欲求段階説
  • マクレガーのX理論、Y理論
  • ハーズバーグの2要因理論
  • ハックマン=オルダムの職務特性理論
  • ポーター=ローラーの期待理論モデル
  • リビングストンのピグマリオン効果
  • アンダーマイニング効果
  • 受容的勤勉性
  • 他者志向的動機
  • フロー体験
  • マクレランドの達成動機づけ理論

キャリア的な文脈ですが、クランボルツの理論は特段面白かった。

www.rgf-professional.jp

リクルートの「自ら機会をつくり出し、その機会に自らを変えよ」という標語が紹介されてたんですが、今の自分には結構響く言葉でしたね。

さいごに

あんまり個人のパーソナリティや中長期的なモチベーションについては分からなかったので、おすすめの書籍とか知りたい。

エンジニア育成勉強会LT+OST(21/5/7)に参加しました

はじめに

エンジニア育成勉強会LT+OSTに参加しまして、発表者の割合多かったので聞き専のつもりが、最後有意義な話ができ、とても良い会でした。

LTの内容はもし後日資料アップロードされたらきちんと振り返るとして、 印象に残ったこと等を覚えているうちにまとめときます。

やる気にもパターンあるよね

モチベーション理論の文脈で色々出てきそうですが、 例えば期限感に影響される人、命令された方がいい人とかやる気にも色々パターンあるよねって話。

こういうのは1on1で傾向を掴むのが良いかもとのことで、もうちょっと1on1の本とか読んで詳しくなったら実践してみたいなと思った。

心理学とか

自我消耗、おやつ神社はコミュニケーションと消耗を防ぐ意味でも有効だったのか。

uxdaystokyo.com

なんかずっと自分の話するの苦手だったなって思いながら自己開示の返報性について触れる。

studyhacker.net

登壇資料

ちょっと逸れますが、パワポ一筋だったので結構ツールあるんだっていう発見。(Office好きなので、、)

qiita.com

www.atmarkit.co.jp

その他

DevOpsの文脈でトランクベース開発の話をしていた。 あんまりこのあたり詳しくないのですが、DORAとかあるのね。

cloud.google.com

www.devops-research.com

フィーチャートグルとか調べて思い出したレベルでしたが、 これでABテストとか興味深い話。

あとは、一見PGの複雑度とか考えてしまいそうなところを、リリース頻度が高いところはバグが多いよねという志向でやるとかそんな話を聞いていました。

教育心理学概論、、また読みたい(勉強したい領域)本が増えてしまった。

組織論を再入門した(導入とリーダーシップ論)

はじめに

連載っぽく見せて続かないシリーズ、今回は組織論編です。

大学時代経営学を専攻していたものの、バンドで生計を立てるつもりだったので、全く勉強してないのを今更後悔していますが、下記書籍やちょいちょい調べて組織論再入門したので、自分のメモ程度に学んだことを残していこうと思います。

組織論の体系

組織論と一言で表しても幅広く、マクロ組織論とミクロ組織論に大別されます。

マクロ組織論では、組織構造や組織ネットワークなんかがあります。具体的には、ネットワーク組織論や組織デザインなど。

ミクロ組織論はもう少しとっつき易い、個人や集団の行動・相互関係に焦点を当てるものです。

リーダーシップ論

リーダーシップとはなにか

本書籍で著者の野田さんはこう定義していました。

他人に影響を及ぼして、望ましい行動を起こさせること

これだと誰しもが持っているべきと言っても説得力のある定義。 フォロワーシップみたいな考え方もありますが、立場関係なく発揮すべきもの。

フォロワーシップになぜ着目するのか?|フォロワーシップ研修No1リ・カレントフォロワーシップ研修実績No.1|人材育成・社員研修・組織開発のリ・カレント

リーダーシップ論の変遷

潮流としては、特性論→行動論→条件適応理論の順で発展していったようです。

特性論はリーダーは生まれ持った特性だと言うアプローチ、行動論はリーダーとそれ以外の行動パターンに着目したもの、条件適応理論は唯一普遍なリーダーは存在せず状況に応じて変わるよねってもの。

行動論で面白かったのがシャートルのオハイオ研究で、行動カウントしたら1700と物凄い数になったが、結局「構造作り」と「配慮」の2つに集約されたというもの。

シャートルのオハイオ研究 – リーダーシップインサイト

最後の条件適応理論を聞くと、エラスティックリーダーシップなんかはこのあたりからきてるんだなあと。 プロジェクト炎上中に「私は、みんなに全部任せる!」と言ってもどうしようもなくて、チームの状況がサバイバルなのかとか分析して状況に応じたリーダーシップを発揮すると。

責任の量は一定

面白かったのが責任量保存(一定)の法則について。

責任は人数が多くなればなるほど低くなりやすいし、一方が被ると他方が減るとか、結局責任量って一定だよねという話。

コミットメントラインを引くのが良いとのことであるが、このあたりはフワッとしやすいのでデリゲーションポーカーとかするのがいいのかな。

あと書いてて責任と責任感ってちょっと違うかもって思った。

変革型リーダーシップで重要なもの

最も重要なのはビジョンとのこと。

もちろんコミュニケーションの土壌があってこそなんですが、定期的に偉い人呼んで今の思いをたまに語ってもらうのが、手っ取り早くモチベーションを植え付けられる気がするし、やっぱり定期的にやるべきかな。

参考文献

https://www.bbt757.com/corporate/sd/pdf/24.new_soshikiron.pdf

https://leadershipinsight.jp/explandict/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E9%81%A9%E5%BF%9C%E7%90%86%E8%AB%96%EF%BC%8F%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E5%8D%B3%E5%BF%9C%E7%90%86%E8%AB%96-contingency-theory

トヨタ生産方式とアジャイル開発(スクラム)に通ずるもの

はじめに

こんにちは、@daimyo404です。 スクラムに触れているとトヨタ生産方式Toyota Production System)の文脈の話をよく聞くと思います。

かいつまんでは学んでいたものの、きちんと勉強せねばということで『トヨタ生産方式 -脱規模の経営をめざして-/大野耐一』を読みました。

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして | 大野 耐一 |本 | 通販 | Amazon

今回は本書のまとめとアジャイル開発に通ずるところの感想を書いていきたいと思います。

トヨタ生産方式とはなにか

トヨタ式のつくり方として、生産現場に流れをつくることがある。例えば、大量生産のアメリカにあった、旋盤工は旋盤しか扱わない単能工ではなく、多工程持ちの多能工によって生産性を向上させた。

このTPSの二本柱として、ジャスト・イン・タイムと自働化がある。

ジャスト・イン・タイム

歴史の教科書でもお馴染みなやつですね。 必要なものを必要なときに必要な量だけ手に入れることができれば、ムリ・ムラ・ムダをなくし、生産性を向上させることができる。

具体的に言うと、最終組立てラインに生産計画を示し、必要な部品を前工程に取りに行き、それが伝搬することで実現するというものです。

これを実現するための道具が「かんばん」と呼ばれるもので、「なにをどれだけ」引き取るのか、「なにをどのようにつくるのか」が示されている。e-かんばんシステムの例ですが、下記で実物が見れます。

https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/common/pdf/production_system.pdf

自働化(ニンベンの付いた自働化

なんでこんな分かりづらい表現使うの・・とか思ってたけど、先進国や他社に簡単に分からないようにという意図もあったみたいです。

豊田式自働織機は横糸がなくなったりすると機械が停止する仕組みになっている。つまり、機械が人間のように良し悪しを判断できるようになっている。これは人がいるラインでも同じことで、異常が発生したら作業者がラインを止めることを徹底しているらしい。

アジャイル開発(スクラム)に通ずるもの

書籍読んだあと、The New New Product Development Gameをざっと読んでみて、「Toyota」というワードが直接出てこないのは改めて知った部分だったのですが、スクラムでも所々エッセンスは感じるところ。 このあたりの影響関係のフロー図かけるくらい勉強したいなーと思いつつ(というかLPSとリーンが知識不足)感想書いてきます。

作りすぎのムダ

手すき(本書では手待ちと表現)の場合に次の作業をやってしまうと手すきなのが隠れてしまう。それにより在庫が溜まったり在庫を移動させる作業が仕事とみなされ、ムダと作業の見分けがつかなくなってしまうとのこと。

どこかでボトルネックになって着手できないので、本当にやるべきタスクの優先度を下げ、別のバックログを優先する。しょうがないで終わらせず、本来のボトルネックによってムダが生まれているということがきちんと問題意識として持つべきという自戒。あとは、これによって別のバックログのタスクで追われ、本当にやるべきことへのフォーカスがぶれてしまうということも別問題としてあるかも。

離れ小島をつくるな

作業者が離れた場所でバラバラに作業していると言われることがあるそう。今はリモートになったからあまり関係ないかもしれないですが、物理的距離と心理的距離って思った以上に相関関係あると思っています。席がないみたいな安易な理由で物理的距離を離してはいけない。

対人距離についてはいくつか考え方がありますのでご参考。

【第5回】場面・状況に応じた対人距離とは:株式会社日立システムズ

現場作業を「認識」する

現場作業は2つに大別できる。1つは何度も繰り返すがなんら必要のない「ムダ」のこと。もう一つは作業であるが、付加価値のないものと正味価値のあるものに分けられる。

俯瞰して見るようにしないと意外とムダや付加価値のない作業を繰り返しているなって気づけなかったり、逆に違う人の視点から見ると正味価値の割合が低かったり。細かい効率化って結構気にしないと見えなかったりするので、常日頃改善意識は高いレベルで保ち続けないといけないですし、たまには他の人の意見も取り入れることが重要かと思ってます。

目で見る管理

代表例はアンドンですが、トヨタ生産方式生産現場ではこれが徹底されている。

物理ボードが使えないとき、如何にデジタルで見える化を進められるかってのは結構課題だと思う。良いときはいいですが、臭いものは蓋をしたくなるし。

さいごに

古典をもっと読もう。

ファシリテーションの教科書のまとめと具体的にやること

はじめに

こんにちは!某金融機関でスクラムマスターや開発エンジニアをやっている@damyo404です。

今回はスクラムマスターのスキルを高めるため、『ファシリテーションの教科書/グロービス 吉田素文』を読みました。

ディスカッションしようと会議招集されたものの、 イマイチな感じで終わってしまったり、逆に自分が開催する側になったときに 上手くできなかったなと後悔することがあったり。

今後そういったことを繰り返さないためにも、 本書はとても勉強になったのでこんな記事で時間を浪費せずに是非買って読んでいただけたらと思います。

本記事は書籍のまとめ、そしてファシリテーションの場(以下、会議とします)やその前準備で取り組むべき活動について考える2部構成でお送りします。

書籍のまとめ

ファシリテーションの本質

ファシリテーションというと、 会議等を上手く進行させたり小手先のテクニック感のイメージが先行するかもしれません。

しかしそうではなく、「引き出し、決めさせ、自ら動くことを助ける」この3点がファシリテーションの本質。

自ら考え自分で納得させる、ファシリテーションのスキルこそ、リーダーに求められるスキルなのではと述べています。

議論の目的

議論の目的は以下の通り。

  • 決定内容の合理性を高めこと
  • 決定プロセスの納得性を高めること

人間だもの、必ずしも1人で合理的な判断ができるとは限りません。また、決定に至るまでの過程をきちんと共有できることが目的という訳ですね。

仕込みとさばき

本書では、会議の前準備を仕込み、実際の会議での立ち振る舞いをさばきと呼んでいます。

全体像

流れは以下の通り。

  • 議論の出発点と到達点をおさえる
  • 場の目的の共有・合意
  • アクションプランの理由の共有・合意
  • アクションプランの選択・合意
  • アクションの確認・共有

別途以下に注意する

  • 議論すべき論点を具体的に把握する
  • 参加者の認識、態度、特性を把握する

ポイントについて具体的に見ていきます。

議論の出発点と到達点をおさえる

よく会議のゴールを決めろとは言いますので、 この場が終わったときに参加者がどういう状態になっているのか考える人が多いと思います。

ただそれだけではなく出発点、つまり参加者が現状どのような認識レベルでいるのかを丁寧に掴む必要があります。

そのため、この議論が終わったら何がどのようになっている必要があるのか、いきなりこの話を初めて参加者に違和感はないのか、というのを徹底的に考える必要があります。

論点を具体的に把握する

よくわからない議論のファシリテーションをするのはかなり難しいです。

〇〇さんどうですか?となってばかりで議論の方向性をどのように持っていくべきなのか不明確なままファシリテーションをしてしまう。

それではダメで、専門家でなくともファシリテーターとして議論の内容をきちんと把握するべきとのこと。

そのためには、議題に対して事前に論点を出しまくる。 その後関連の高いものはグルーピングし、抽象度の高いものから具体的なものへ階層構造を作る。そしてどのようにすれば議論が活性化するのか考える必要があります。

こういったときにフレームワークが役に立つかもしれませんが、フレームワークの適切な使い方を理解せずに使ってはいけない。

また、専門家であると逆に議論に口出ししたくなるかもしれませんが、 そこは一歩引いてファシリテーターとして振舞うべきとのこと。

問題解決のステップ

最初になぜそうなのか、どうすればよいのか、といったWHYやHOWから始めると問題解決から遠くなる。

最初にWHERE、つまり問題に対してどのような傾向があるのかを掴みつつ、何が解決すべき問題なのか、なぜとどうすれば良いのかを考えていくべき。

それができたら、具体的なアクションプランの選択やアクションの実行といった流れに進める。

さばきについて

よく下手なファシリテーターが「ざっくばらんにどうですか?」みたいな的を得ない振り方をすることがあると思います。関係性が出来ていれば良いのかもしれませんが、聞かれた側としては戸惑ってしまうことは多いですよね。

そのため、「○○さん、○○の立場からすると反対意見かもしれませんがどうですか?」や「○○さん、入ったばかりのフレッシュな目線でどうですか」など一言添えるだけで回答のしやすさが変わってくる。

あとはあえて反対の意見を出せますか?なども有用とのこと。

訊く重要性

発言者の目を見る、うなづきや相槌などをして相手の意見を真摯にきく。 わかりづらかったら要約しつつまとめることが重要。

誰よりも論理的に

会話は意外と抜け漏れがあったりして論理性が欠けるもの。そのため、主張→根拠→結論や、前提→事実→結論といったステップが機能しているのかなど、演繹的、帰納的になっているのか頭の中で考える。

本書やそれ以外の情報から実際に取り組むことを考える

会議の前

準備は以下の順で取り組んでみる。

  • 招集通知、オフラインなら各人の物理距離が3m以上とならない広すぎない場所を選ぶ
  • 会議のテーマ・ゴールを考える
  • 参加者の名前を書く
  • 参加者それぞれのテーマの前提理解度や知識レベル、なぜこの場が開かれるのか理解しているのか書く
  • テーマの論点を挙げまくる、抽象度高〜低へグルーピング化して階層構造にしてみる(使えるフレームワークあれば利用する)
  • どうしたら議論が活性化するのか考えてみる。いきなり答えを考えるのではなくWHERE、問題の傾向は何なのかという点に注目して考える。
  • 会議のテーマ、ゴール、アジェンダを展開する

実際の会議では以下に気をつけて取り組んでみる。

  • 会議室の机などの配置を変える
  • 関係性ができてない場合は軽いアイスブレイクの時間を設ける
  • 最初にどういった理由で会議に呼ばれているのか、議題対して参加者がどのような関係性があるかを説明する
  • 相手の話は相槌、目線、体の向きなどきちんと「訊く」
  • 発言者の主張、根拠、結論のステップなど論理的なのか都度判断
  • 分かりづらければ要約して確認する
  • 事前準備した議論の活性化について話を広げてみる
  • 発言が少ないメンバーに対しては「○○さん、○○の立場からすると反対意見かもしれませんがどうですか?」などと発言しやすい形で投げかけてみる

参考文献

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8-%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%82%92%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97-%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9/dp/4492533486

親子の住まい方教室

スクラムマスターに必要なコーチングスキルとはなんなのか(NLP編)

はじめに

こんにちは!某金融機関でスクラムマスターや開発エンジニアをやっている@damyo404です。 今回はスクラムマスターに求められるコーチングスキルについてです。

スクラムマスターに必要なスキルセット

スクラムマスターに求められるスキルは、 ティーチングやファシリテート能力など多岐に渡りますが、 そのなかにコーチングスキルというものがあります。

www.odd-e.jp

コーチング、自発的行動を促進するコミュニケーションで、色々と流派があったりするようです。 ですが、「スクラム コーチング」とかで調べてもどういったジャンルのものを勉強した方が良いのか、 イマイチ的を得たサイトがなかったりしたので、色々なものに触れつつ何がいいのか見つけていきたいと思っています。

今回はNLPコーチング)についてです。

コーチングの流派

一言にコーチングといっても派閥があります。

yasushi-watanabe.com

note.com

NLPとはなんなのか

NLPとは、Neuro-Linguistic Programmingの略で神経言語プログラミングと訳されます。 神経とは五感、言語とは意味付け、プログラミングは思考や行動のパターンのことです。

70年代頃、心理療法家で成果を上げていたミルトンらの手法を研究し、言葉の使い方などパターン化したものです。

スクラムに役立ちそうなもの

ここでは紹介しきれないくらい様々な手法が存在するのですが、 いくつかピックアップしていきたいと思います。

バックトラックとページング

上記の紹介の前に少しだけ。

コミュニケーションを取るにあたって、相手が心を開いている状態であることが重要なのは、 言わずともわかると思います。

相手が心を開いている、打ち明けた状態のことをラポールといいます。 この状態を作るために有効な手法がバックトラックとページングです。

バックトラック

人は違う意見をぶつけられると心を閉ざしてしまうので、 おうむ返し、つまりバックトラックを使う。

バックトラックは言ったことをまんま繰り返すだけではなく、 直前の語尾や、要約、キーワードを返すなどがあります。

ページング

これも有名なやつですね。色々な要素を相手に合わせることです。

その中でも見た目や姿勢や身振りなど身体の動きを合わせることをミラーリングと言います。 よく相手と同じ仕草をする〜みたいなものが散見されますが、 それだけでなく、姿勢や話し方(声の大きさ、速さ、トーンやテンポ)、言葉(パソコンを相手に合わせPCにするなど文言) 呼吸や感情を合わせます。

キャリブレーション

非言語の情報を観察することをキャリブレーションと言います。 視覚、聴覚、体感覚から状態の手かがり(もちろん人によって違う)を探します。

メタモデル

言語化した情報は、省略や歪曲、一般化といった変形が起きます。 これは質問によって回復することができ、メタモデルと言います。

メタモデルは情報を回復することで、原因を探るものなので、なぜはありません。 なんかコーチングを学んだ人ってなぜ?を多用する気がしていたのでここは少しギャップがありました。

アンカリング

パブロフの犬的なやつです。 刺激と反応を組み合わせること。

自分が体験したある経験に没入し、その強さが最大限になる前にアンカーをかけ、ブレイクステート(深呼吸して中立状態に)します。 刺激を与えることで、自分の望ましい状態になることができるというもの。

肯定的意図

一見マイナスと思えるような行動でも意図があります。 スケジュールを詰め込むことでもそれによって自己肯定感が得られたり、 何かしらプラスの理由があるのです。

そのほかキーワード

  • サブモダリティ
  • フレーミング
  • スウィッシュ
  • ミルトンモデル
  • タイムラインシフト
  • チャンク
  • アソシエイト、ディソシエイト
  • ポジションチェンジ
  • ディズニーストラテジー
  • モデリング

さいごに

相手と信頼関係構築にあたってはページングやキャリブレーションが役に立ちそうですね。 他にはコーアクティブコーチングについて少し勉強したのですが、ちょっとスクラムからは遠そうなので、 次はポジティブ心理学とかそのあたりのまとめをしたいと思います。 あと切実にスクラムマスターのコーチング論を聞きたい。

出典

このあたりを読みました。

www.amazon.co.jp