はじめに
こんにちは!
某企業で内製開発の推進やスクラムマスターとか色々やっております@daimyo404です。
今回は『エラスティックリーダーシップ: 自己組織化チームの育て方/ロイ・オシェロフ』を読みました。
部下を育てたい気持ちはありつつも押し付けになってしまってはとか、なかなか言ったことを実践してくれないとか、
リーダーやマネージャーでなくとも少し年次が上がってくると多少なりとも悩んだりする瞬間があると思います。
この書籍ではエラスティック、つまりチームに応じて変化する弾力性のあるリーダーシップの在り方について書いています。
抽象化と具体化の例がわかりやすく、こういった本をあまり読んだことない方でも取っ付きやすい内容になっています。
最初にフェーズとモードのはなし
本書ではフェーズとモードという用語が使われています。
フェーズとは簡単に言うとチームの状態のことで、モードとはそれに対する反応のこと。
モードの説明が当初わかりづらかったのですが、闘争本能のようなものだと。例えば敵が迫っているような状態(フェーズ)だと、
闘争本能によって行動したりしますよね。このようにあるフェーズだと認識すると呼び起こされるものという解釈でいます。
チームの3つのフェーズ
チームには、サバイバル、学習、自己組織化の3つのフェーズが存在します。
サバイバルから学習、自己組織化へ、そしてフェーズによってリーダーシップのスタイルを変えて導くのがリーダーの役割。
この書籍では一番スキルが長けているスーパーマン的人をリーダーの前提として置いているので、
「スキルを身に付けるには新しいことに挑まなければならない。自分で解決してしまえば学ぶのは一人だけになってしまう」と警告したりしています。
サバイバルフェーズとは
響きだけ聞くと炎上プロジェクトのように感じますが、
このフェーズではチームの学習時間がない状態のこと。
ゆとり(Slack)を作り、サバイバルから脱することを目指す。
学習フェーズ
ゆとりの時間があり、その時間で学習や検証を行っている。
問題を自力で解決できるように教え、挑戦させることで自己組織化チームへと育てる。
自己組織化フェーズ
リーダーが数日仕事を放棄できる状態であれば、チームは自己組織化しているといえる。
それぞれに合わせたリーダーシップ
サバイバルでは、指揮統制型のリーダーシップを取る。学習フェーズでは、コーチ型だが場合に応じて指揮統制型を使い分ける。
自己組織化では、ファシリテーター型を。
バス係数とバス因子
これは有名な話ですが、バスに轢かれてメンバーが来なくなったときに、
何人いなければチームが破綻するのかという数をバス係数と言います。(つまり高ければ高いほど良い)
バス因子とは、バス係数となるメンバー名や役割のこと。
コミットメント言語
やりますという宣言をコミットメント言語と表現。
バグを修正しますとか制御できないものに関しては、1日に何時間バグ修正に取組むとか、
不可能なコミットメントを可能なものに変えること。
デイリースタンドアップやその他約束がなされる場所でこの言語が使われる。
メンバーの成長
学習フェーズ
成長には波がある。グラフで言えば、高原があり、谷(成長前の適応期間的なものだと理解)、峰というのを繰り返し右肩上がりに成長していく。
まっすぐな線で成長するわけではない。
メンバーに対する問い
コーチング的な内容だが、『あなたはそれに関して何をするつもりですか?』と問う。
これは「(私ではなく)何々すべきです」とか自分でやらない回答とかではなく、抜け道のないものを引き出すことができるので良いとのこと。
全く話変わりますが、コーチング学んだ人ってあんななんで?って聞き続けるんだろ、、
コーチングおじさんではなく上手く話を引き出すスキルが必要ですね。
どういったものがチームや個人を成長させるのか
真の成長機会は、恐怖・初期の不快感や不満があることであると言っています。
一瞬ウッと感じるような取り組むのに勇気のいるものが人を成長させるということですね。
リーダーがやるべきこと
バス因子とペアワークや教師になってもらうなど、因子を見つけ、防ぎ、減らすことが担う役割の大部分。
あとはサバイバルから学習フェーズでは50%はチームと話たり作業したり多くの時間を過ごすこと。
クリアリングミーティング
クリアリングミーティングというワークというか手法について紹介がありました。
① 今週もっと上手くいったらよかったこと(上手くいかなかったこと)、
② あなたはそれに関して何をするつもりか、
③ 今週起こったよかったこと・メンバーがしたよかったことについてそれぞれメンバーに聞いていく。
具体的な場面での例がありましたが、①を各メンバーに聞いて、その後②〜③の順に聞いていく。長くなるからと割愛したりせずに傾聴。
キーワードや心理学っぽい用語
さいごに
気になった方は是非書籍をどうぞ。